No.10(ヘレニズム時代)  : 

「アレクサンドロスの意義と限界とは何か?」 

アレクサンドロスの東征は、万人同胞意識や世界市民主義(コスモポリタニズム)
にもとづく、東西世界の融合を目標としたものであった。また世界共通語であるコ
イネやギリシア的な融合文明であるヘレニズム文化が形成されるなど、文化的な
意義もあった。しかし大王の急死と、オリエント的な専制国家の枠を越えられなか
ったことにより、本当の意味での世界市民(コスモポリタン)からなる世界国家とい
う理想とは遠く隔たったものになってしまった。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:
グローバル化という観点から現代社会の動向に目配せしつつ、アレクサンドロスの
世界統一事業の挑戦と挫折の意義について、意欲的に学習しようとしている。

思考・判断:

アレクサンドロスの世界帝国建設が、何を目的とし何を手段としたのかを具体的に
明らかにすることによって、現代の国際政治を射程に入れつつ考察している。

資料活用の技能・表現:

アレクサンドロスの東方遠征のルートや主要な戦いの場所、帝国の勢力範囲等を
地図上で明らかにすることにより、実感的な歴史事象の理解に資料を役立ててい
る。

知識・理解:
ヘレニズムというギリシア人の果たした世界史上での大きな役割について、強烈な
個性の持ち主アレクサンドロスを主役にすえながら基本的な知識を身につけてい
る。